予防歯科
予防歯科
今まで、歯医者へ行くのは「歯が痛くなった時」もしくは「虫歯の治療をするために」という考え方ではありませんでしたか?
もちろん、治療医療は必要不可欠ですが治療医療のみだけで済ませてしまうと、結果的に虫歯や歯周病が増え続けてしまうのが現実なのです。
日本人の80歳のときの残在歯の数は10本程度といわれています。当然、それに伴い、入れ歯への依存度はとても高いことがわかります。とくに、50歳を超えた日本人の半分以上、また75歳を超えると6割~7割程度の患者様が入れ歯に頼っているという話があります。
これに対して欧米人は同じ年齢でも残在歯数は日本の倍程度(20本程度)の本数が残っているといわれています。
この違いはどこから生まれてくるのでしょうか。実は、予防歯科に対する概念の違いがこの結果を生んでいるのです。
これからは、しっかり予防歯科をおこない、いかに虫歯で歯を削らないか、歯周病で歯を抜かないかが大切になってきます。
虫歯や歯周病にならないために日頃から歯医者さんで管理、指導を受ける新しい歯科医療、それが予防歯科医療です。
一人ひとりに最適なオーダーメイドの予防をご提供するためにも、口腔内写真撮影、視診、歯周ポケット測定などをおこない、現在の歯や歯ぐき、お口の状態を総合的に把握します。
普段のブラッシングでは落ちない歯の汚れや細菌の膜(バイオフィルム)を歯科衛生士が専用機材を用いて取り除く歯のメンテナンスのことをいいます。セルフケアだけでは磨き残しを完璧に防ぐことは難しいです。また、一度歯に付着したタバコのヤニや茶渋等のステインなどは通常の歯磨きだけでは取り除くことができません。そこで私たち専門家がツルツルにみがきあげることによって汚れが再付着することも防いでくれます。
歯石は歯垢(プラーク)が石灰化してできた硬い塊で、歯磨きなどの通常のセルフケアでは落とせません。
スケーラーという歯科医院専用の器具を使用して、歯の表面はもちろん、よく耳にする歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間)内にある歯垢や歯石を除去します。これが「スケーリング(歯石取り)」です。
予防としての目的だけでなく、初期の歯周病(歯肉炎)を改善する治療としてもおこないます。
フッ素と聞くと、何となく小児歯科を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思いますが、もちろん大人の虫歯予防にも効果的です。
フッ素にはその科学的特性から、「初期虫歯を治す」「歯のエナメル質を強くする」「虫歯菌の活動を抑える」という効果が期待できます。
定期的にフッ素塗布をおこなうことで歯に取り込まれているフッ素の値を下げないようにして、虫歯を予防していきます。
医院でのフッ素塗布は3カ月に1度程度おこなうのが理想的です。
エアフローとは、歯の表面に水と塩の細かな粒子のウォータースプレーを吹き付けて、PMTCでは落とせなかったこびりつき汚れをしっかり落としていく、積極的な歯のクリーニングのことです。
エアフローはジェットクリーニングとも呼ばれ、普段のブラッシングではキレイに磨くことができないブリッジの下やインプラントまわりの汚れなどもスッキリ落とすことができます。エアフローによる汚れ除去は、PMTCやホワイトニングなどを始める前におこなうことで、予防歯科効果をより高めることができます。
PMTC同様、エアフローをおこなったあとは、歯の表面がツルツルしていますので、プラークや歯石などの再付着を防ぐことができ、虫歯や歯周病などのリスクを下げることができます。